

整体・整骨院を利用する目的は、症状やケガの改善、予防、疲労回復、運動パフォーマンスの向上など様々ですが、施設を適当に選んでしまうと満足できないことがあります。
こちらの記事では、後悔しないための「施設の選び方」について詳しく解説していきたいと思います。
整体や整骨院は意味ない?通うのをやめたくなる理由3選
整体、整骨院通いをやめたいと思わせる理由は3つあります。

料金が高いから通えない
整体料金は年々高騰しており、中には1回の施術料金が1万円を超えるような院も存在します。
悩みが直ぐに解決できるのであれば納得できますが、高額にもかかわらず「長々と通わなければならない」のであれば、納得できるものではありません。
注意ポイント
2回目以降の料金が通えないと感じるくらい高く設定されていることがあります。2回目以降の料金も必ずご確認ください。
自費料金の相場
整体料金の平均的な相場は10分1000円~程度と言われています。
施術時間と料金に開きがないかをチェックしましょう。
料金が高い理由
料金が高くなる理由のひとつとして考えられるのが、広告費や人件費などにかかる経費の問題です。
業界では1人を集客するのに2~3千円ほどの費用がかかると言われており、広告費にお金をかけている院ほど施術料金が高くなりがちです。
スタッフの数が多い院でも同様に、たくさんのお客様に利用してもらわなければ利益は残せません。
ご紹介やリピーターが多く、広告費に殆どお金をかけていない院ほど良心的な料金設定になっていることが多いようです。

こんな整体はお金の無駄
- 施術を受けた後に症状がかえって酷くなった
そのような施術を受けても症状が改善することはありません。他の施設をお探しください。
- 初回はカウンセリングのみで終了してしまった
その殆どが長く通院させる為の術となります。初回の結果にこだわる先生をお探しください。
- 生活習慣、セルフケアのアドバイスがなかった
施術効果の持続や再発予防に必要な内容です。施術を受けるだけよくなると説明をうけた場合は注意が必要です。
効果がないから
「骨盤矯正は何回くらいで効果がでる?」「通ったら本当に楽になるの?」
皆さんが気になる内容かと思われますが、施術効果は担当した整体師の知識や経験値によって大きく左右されてしまいます。
改善までの期間は不調内容や生活習慣などによって差はでてしまいますが、通常1~3回くらいの施術で何らかの変化を実感することができます。
通院しても「効果なし」と感じた場合には、別の整体院をお探しください。

タイプ | 頻度 | 期間 |
急性症状 | 週1~3回 | 1~5回程度 |
慢性症状 | 週1→月1~2回 | 症状で異なる |
一回で本当によくなる?
最近の広告には「一回で改善する」といったキャッチコピーを多く見かけますが、残念ながら誇大広告である可能性が高いです。
一時的な症状なら一回で治ってしまうこともありますが、慢性化した症状の改善にはそれなりに時間が必要になります。
ポイント
不調の原因の殆どは生活習慣にあります。長年かけて作ってしまった身体の問題を瞬時に解決することはできません。
ダイエット効果はある?
反り腰が改善することで「ぽっこりお腹」や「太ももが痩せる」こともありますが、整体を受けているだけでは体重を落とすことはできません。
ダイエットに必要な運動や食事制限が無理なく継続できるようにサポートするのが整体の本来の役割です。
ポイント
関節の可動域が広がることで、運動時に脂肪が燃焼されやすくなったり、耳つぼの刺激によって空腹感をコントロールすることができます。
ボキボキ整体について
整体やカイロプラクティックなどで、関節を動かす際にボキボキと音が鳴ったりすることがありますが、音が鳴ること自体には意味はありません。
骨盤や骨格を矯正する際に起きるボキボキ音の正体は、関節を包む袋の中で気泡が弾ける際に出る音です。
骨が正しく整っても音が鳴らないこともあります。音が出ても出なくても施術の効果に影響はありません。
注意ポイント
無意味に強い圧をかけてしまうと、症状を悪化させたり、後遺症が残るなど、重大な事故に繋がる可能性があります。経験の浅いセラピストには注意が必要です。
回数券を買わされるから
回数券の販売は、より多くの利益を安定して得られるシステムです。
「初回の施術料金を大幅値引きし、2回目以降は回数券の販売で利益を確保する」
このような流れで利用者を呼び込もうとする院が急増しています。
店側としては通院してもらわないことには利益ができないので、施術後には回数券販売のセールストークが当たり前のように行われている状況です。
回数券が使い終わったら再び購入を勧められるというケースも少なくありません。
注意ポイント
お得に感じる回数券ですが「払い戻しができない」「期限内に消費しなければならない」といったデメリットがあります。初回時に回数券を購入するのは止めましょう。
通院の断り方
「次回はどうしますか?」と聞かれた場合には「スケジュールを確認して後で連絡します」と答えれば何も問題はありません。
予約をしてしまった場合には電話で構いませんので「都合が悪くなったのでキャンセルしたい」と、できるだけ早めにお伝えください。
通いすぎにご注意
1回でよくなる症状もあれば3回でよくなる症状もあります。
整体に通う頻度は症状やお身体の状態によって異なりますが、通院を続けるかどうかを決めるのは施術をご本人でなければなりません。
中には症状をよくすることよりも、たくさん通わせることを目標にしている悪質な院も存在します。十分ご注意ください。


嫌な思いをしたら行かない方がいい
回数券を断ったり予約をキャンセルすると、施術者の態度が急変して「恐い思いをした」という話を何度か耳にしたことがあります。
一方的に契約を勧めてきたり、断れない雰囲気を感じるようなことがあれば、そのような整体院は利用すべきではありません。
整体と整骨院(接骨院)の違いとは?
整体と整骨院の違いを説明します。

整体とは
身体の歪みや緊張を取り除くことによって、人間の持つ治癒力を最大限に発揮させることを目的とします。
症状の改善の他にも、スポーツ時のパフォーマンス向上、姿勢の安定、疲労回復といった効果が期待できます。
整体院では、学校や著名な治療家に師事するなどして、身体を整える技術を学んだ整体師が施術を行います。
整体は医療行為ではありませんので、健康保険の利用は認められていません。
また、整体には数多くの流派があり、アプローチの方法も様々です。その為、施術効果は各整体院によって大きく異なります。
カイロプラクティックとは
手技によって背骨の矯正を行い、神経機能を正常化させて症状の緩和をはかります。
正式なカイロプラクターになる為には、発祥地である米国で認定大学を卒業し、国家試験に合格しなければなりません。
日本においてはカイロプラクティックの国家資格が存在せず、誰でもカイロプラクターと名乗れるのが現状です。
カイロプラクティックの技術を用いる整体院や接骨院は少なくありません。
骨をバキバキ鳴らすのは大変高度なテクニックを必要としますが、中には短期講習を受けただけの人が施術を行うこともあるので注意が必要です。
※施術でケガをしたり、症状が悪化するケースがあります。施術者の経験や実績などを調べておくことが大切です。
整骨院とは
接骨院・整骨院では、指定の大学や認可施設で専門知識を学び、国家試験に合格した柔道整復師が治療を行います。
柔道整復師だけに許可されている業務には、骨折、脱臼、打撲、捻挫、肉離れなどの怪我の治療(手技による整復)があります。
※骨折と脱臼については医師の同意が必要。(鍼灸も同じ)
ポイント
接骨院・整骨院は急性の怪我の対応を得意としています。
接骨院と整骨院に違いはありません。名称の違いはありますが、どちらも同じ業務を行います。
※正式な名称は整骨院ではなく、接骨院となります。

整形外科との違いは?
整形外科では診察・検査(X線検査など)を行い、診断名を確定し、医学的な治療(手術療法、保存療法)が必要かを判断します。
どっちを利用すればいい?
接骨院・整骨院ではケガの場合のみ、健康保険を使った治療を受けることが許されています。
仕事中や通勤途中のケガなどは労災保険が適用され、交通事故によるケガには自賠責保険が適用されます。
※健康保険で行われる施術内容は各接骨院で大きな違いはありません。
保険が使えないケース
・日常での疲労による腰痛や肩こり、体調不良など(慢性症状)
・加齢による身体の痛み
・整形外科で治療を受けている場合(併用)
単なる肩こりや腰痛といった慢性的な症状においては健康保険の利用が認められていません。
「整体院」もしくは「自費診療として整体を取り入れている接骨院」をお探しください。


接骨院でも整体ができるの?
セミナーなどで整体技術を学び、自費診療として整体を取り入れている接骨院も存在します。お近くの院に問い合わせする際には、施術内容を確認しておくとよいでしょう。


違法行為の加担にご注意ください
本来なら慢性的な症状に対して保険を使ったマッサージは受けることができません。
ところが、接骨院では保険を使ったマッサージは日常茶飯事に起きており「保険の不適切利用」が問題になっています。
大変残念なことですが、療養費をだまし取ったとして毎年何人もの関係者が捕まっている状況です。

1.看板に各種保険取扱
どんな施術にも健康保険が使えるという意味ではありません。負傷の原因を正しく伝えましょう。
※広告や看板、ネットのクチコミをうのみにしてはなりません。
2.問診時の対応
例えば「仕事の影響で肩こりが酷い」と伝えた時に「肩の捻挫にしておけば保険がきく」と説明を受けて、それに同意してしまうと不正請求へ加担することになります。
3.白紙委任
月に1回署名を求められます。その時に署名欄しか見せてくれなかったり、内容が白紙の場合には絶対に署名はしないでください。
知らない間に負傷箇所が転々と変えられていたり、施術回数が増やされていることがあります。
負傷名、日数、料金を必ず確認しましょう。
※領収書の発行は施術所の義務です。
4.施術担当者
柔道整復師の資格を持ってない人の施術には健康保険を利用することができません。
無資格のアルバイトや学生スタッフなどが施術をする際には自費診療でなければなりません。
※個人差はありますが、若い施術者は避けた方が望ましいです。
5.調査票の指示
健康保険から加入者へ文書照会を求められることがあります。
整骨院側から文書の提出を求められたり、記入内容の指示などがあった場合には絶対に従わないようにしてください。
健康保険は加入者が支払っている保険料だけではなく、国民の税金でまかなわれています。
税金が不当に利用されることを防止する為の厚労省の施策として調査票が送付されます。
これを無視すると受診にかかった費用は全額自己負担になる可能性があります。
注意ポイント
1.治療部位がいつの間にか増えている
2.健康保険からの調査について対応の指示がある
3.白紙に署名させられる

まとめ
以上が整体や整骨院を利用することに「意味がない」と感じてしまう理由と対策方法になります。
注意すべき点は、3回施術を受けても変化が感じられなかったり、初回から回数券の購入を勧められた場合です。
大切なお時間とお金を無駄にしないためにも、整体や整骨院を選ぶ際にはしっかりご検討ください。
整体院が向いている人
・慢性的な肩こりや腰痛、骨盤の歪みといった、生活習慣が原因で起きている症状を改善したい方におすすめ!
・整体院の多くは個人や少人数での経営。周りの目を気にせず、リラックスできるのがポイント!
・デメリット「当日の予約が取りにくい」
接骨院が向いている人
・接骨院は仕事やスポーツなどで急に身体を痛めてしまった方におすすめ!
・健康保険を使って怪我の治療が受けられる(但し、対象は外傷性の負傷のみ)
・デメリット「施術担当者が変更になることがある」「効果に差がある」
症状が満足できる程度に改善が見られた場合には通院のペースを相談してみましょう。
施術者と話しにくかったり、予約を断りづらいといった雰囲気を感じたのなら、貴方には合わない整体・整骨院なのかもしれません。
対面でお伝えするのが難しい場合には、電話やメールなどをご活用ください。