今回の内容は顎関節症についてです。顎の違和感、痛みといった問題は身体全体のバランスを整えたうえで、原因部分の緊張を取り除いていくと解決できる可能性があります。
顎関節症とは
顎関節症は、あごを動かしている時の痛み、関節の雑音、開口障害、といった内容をとりまとめた病名です。
口を大きく開けた時の顎の痛み、シャリシャリ、バキバキと音が鳴る、下顎がガクガクしたりズレるような感覚がある、物を噛んだ時に痛みが強くなるといった症状が見られます。
顎関節症は噛み合わせの問題と思われがちですが、首や肩のこりや身体の歪みといった全身の影響を受けて起きていることがあります。
顎関節症の原因
身体のバランスが悪くなると、顎の骨や筋肉に問題が生じ、顎の症状がでやすくなります。
頭蓋骨
頭蓋骨は骨自体が1つのかたまりではなく、合計23個の骨が縫合し、1つの頭蓋骨を形成しています。縫合部分は関節のような役割をしていて頭蓋骨は動きのある骨です。
頭蓋骨の歪みによって、顎の開き具合や違和感などが現れることが考えられます。
後頭部や頚部の緊張、頚椎のズレは顎に余計な緊張を招きます。整えることにより緊張が和らぎ、顎関節症がよくなるケースが数多く確認できます。
連動と硬直
足のバランスが悪くなると、その影響によって、肋骨が下がり、肩や後頭部が緊張し、側頭骨にズレが生じることで、噛み合わせや顎関節に問題が現れることがあります。
又、腰部の硬直の影響から首の後ろ側に硬直が現れると、耳の位置が後方へとズレてしまい顎に影響を与えることがあります。腰部の硬直状態によっては、顔の形まで変わってしまう可能性があります。
過緊張
顎にトラブルを抱える人の多くは猫背や反り腰になりがちです。
猫背では、頭部が前方へ移動する為、下あごが突き出た状態となりやすく、口の周りは常に過緊張を起こしている状態です。
反り腰になると、背骨のバランスの悪化により頚部が緊張を起こすことで、顎の問題が生じるケースが多々あります。
その他にもストレスの影響により、顎にトラブルが起きてしまうこともあります。精神的に緊張のしやすい人は、自然と身体に力が入ってしまう傾向があります。
身体の緊張は顎にも現れやすく、無意識に歯をくいしばっていたという経験をされる人も少なくありません。歯と歯の接触というものは、回復を遅らせてしまう要因となります。
咀嚼不足
女性の方に多いのですが、普段からあまり食べなかったり、または柔らかいものばかりを食べていることで、顎の筋肉が弱くなり、噛み合わせのバランスが崩れ顎関節症を招いてしまうこともあります。
顎関節症でお困りなら
顎関節症は身体のバランスを整えることで改善しやすくなります。症状にお困りの方は当院までご相談ください。
顎の違和感は殆どなくなりました。
顎の痛みがひいていき、食事も問題なく食べれるようになりました。
顎関節症が現れてから早い段階で来院された方や、筋肉の緊張が強くない方は、比較的早く変化を感じられることが多いようです。
逆に症状を放置した期間が長すぎると改善するまでにも時間がかかってしまう傾向にあります。
頚椎の歪みを修正する
頚椎の歪みが顎関節に問題を起こしている可能性が考えられます。頚椎を整えると顎の緊張が和らぎ、症状がよくなるケースがあります。
筋肉を調整する
腰部の筋肉が硬直してくると、首や顎の筋肉を硬くさせることがあります。筋膜のバランスを考えたうえで調整を行うと、よい結果に繋がることが多いです。
咬筋について
咬筋:物を噛むときに働く顎の筋肉。頬に手を当てながら奥歯を噛むと硬くなる部分。口を閉じたり、歯をかみ合わせる働きをもつ。
側頭筋について
側頭筋:物を噛むときに使われる筋肉。下顎を動かしたり、歯を食いしばる働きをもつ。
翼突筋について
外側翼突筋:下顎骨を前に突き出す。咀嚼時には下顎骨を外側に動かし、物を潰す。
姿勢の問題を解決する
顎関節に悩む多くの人は、猫背や反り腰といった姿勢の問題を抱えています。
猫背になれば、頭部が前方へ移動し、下顎が突き出た状態になり、常に過緊張を起こすことになります。
反り腰になると、背骨のバランスの悪化により頚椎が緊張を起こすことで、顎に問題が生じやすくなります。
全身のバランスを整える
顎周囲のマッサージで効果が感じられない場合には全身の調整が必要になります。身体の歪みは顎に緊張を生じさせます。
筋肉や関節の機能を向上させて身体のバランスを整えることが顎関節症の症状を軽減することができます。
また、顎関節症がある方は、睡眠中に身体がリラックスできない状態になっている可能性があります。
就寝中の食いしばり、歯ぎしりによる歯と歯の接触は、症状の快復を遅らせる要因です。
身体のバランスを整えることで睡眠時にリラックスができるようになり、症状が改善しやすくなります。
※外科的な治療と整体を同時進行することはおすすめしません。逆に本来のバランスが崩れてしまうことがあり、整体での調整が困難になってしまいます。