

こちらの記事では尾てい骨の痛みの治し方についてを説明していきたいと思います。おしりの痛みが気になる方は内容をご参考ください。
もくじ
尾てい骨ってどこの骨?
尾てい骨は脊椎の最も下にあり、尻尾のように出てる骨です。
正式には尾骨と呼ばれ、進化の過程でなくなった尻尾の名残とも言われています。
尾てい骨には骨盤を含め、上半身を支える大事な役割があり、過去のケガなどで尾骨がズレてしまうと、バランス感覚が崩れることもあります。
ココに注意
「間違えやすい」おしりの骨
時々、尾てい骨について誤った認識をされている方がいます。
痛い場所が少しずれるだけでも問題が起きている骨が異なる為、注意が必要です。
※痛い場所によって対処法が異なります。
おしりの中心の下 | 尾骨 |
おしりの真ん中 | 仙骨 |
おしり片側の下 | 坐骨 |
尾てい骨周辺の痛みの原因は?
尾てい骨の痛みの原因には、骨盤の歪みや筋肉の機能低下による痛み、転倒による外傷性の痛みなどがあります。
原因がはっきりとせず、いきなり痛くなった場合でも下記の内容に該当するケースが殆どです。
痛みのタイプとそれぞれの対策方法についてを詳しく説明します。
【原因1】座りすぎでおしりの骨が痛い
尾てい骨の痛みは、背中を丸めて座るクセがあると起きやすくなります。
このような座り方では、代償姿勢において骨盤が後方に傾き、臀筋は機能していない状態です。
座る時に体重を支える骨盤の底部(坐骨結節)ではなく、背骨の底部(尾骨)で座っている形となります。
正常な位置から外れた筋肉と組織が身体を支えることになり、結果的に尾てい骨にかかる負荷が増大します。

ここがポイント
骨盤後傾の問題は、ソファーや車のシートなど、クッションが付いた座面に座ることでよく起こります。対策として、やや硬い座面に座ることが、これらの問題を取り除くのに役立ちます。
お尻が痛くならない座り方
座り姿勢は背骨に最も負担をかける姿勢です。(立っている時の1.4倍の負荷)
例え良い姿勢で座っていたとしても、負担になっていることは変わりません。
人の身体は座ること自体が苦手な構造になっています。
ですから、椅子を変えただけでは「尾てい骨が痛くなる」という問題を解決することはできません。
毎日、何時間も椅子に座って作業をする方は、座り方を工夫しながら生活する必要があります。

座り方 | お尻への負担 |
椅子の端に座る | 少ない |
椅子に深く座る | 大きい |
椅子に深く座り、背もたれを利用する座り方が正しいという情報をよく目にすると思いますが、実際には身体に負担の大きな座り方なので注意が必要です。
椅子に深く腰掛けた際には、お尻の筋肉と大腿の裏側に体重の殆どが乗ってしまい、大腿骨を寛骨臼へ押し込んでしまいます。
このような不自然な状態を続けてしまうと、股関節の可動域をひどく損なうことになり、様々な不調を招くことが考えられます。
逆に、椅子の端に座り背もたれを利用しなければ、体幹を硬く保つことができ、背骨のバランスを安定させることができます。
体重は坐骨結節(骨盤の底の骨)に60%、踵に40%の割合で座るのが理想的です。
ここがポイント
20~30分毎に立ち上がり、2分ほど身体を動かすことで健康障害のリスクを軽減することができます。
椅子の選び方
あまりにも快適な椅子を選んでしまうと、立ち上がることを忘れてしまい、結果的に身体への負担が増えてしまう可能性があります。
高級な椅子が必ずしも身体に良いとは限りません。
座面
座面は柔らかすぎるものではなく、やや快適に感じるものを選ぶとよいでしょう。(最小の緩衝材)

背もたれ
短時間の利用であれば背もたれにはリラックス効果が期待できます。
さほど気にする必要はないのですが、角度を調整できる機能があれば便利です。

肘かけ
基本的に肘掛けは不要です。肘掛けがあることで机の下に椅子が入らずパソコン画面から身体が離れて負担に感じることがあります。

骨が当たる時の専用クッション
椅子に座ると尾てい骨が酷く痛い場合には専用のクッションを利用するとよいでしょう。尾骨が当たらないように工夫されているクッションをお探しください。
【原因2】おしりが硬くて立ち上がる時に痛い
大臀筋というお尻の筋肉が正常に働いていない状態では、椅子から立ち上がる動作が困難になり、足を引きずることになります。
その殆どが椅子中心の生活による運動不足が原因です。
下記のエクササイズを続けることによって、筋肉の問題を正常化させていきましょう。
※運動不足解消の為に始めた運動によって、かえって大臀筋の問題を悪化させてしまうことがあります。症状を悪化させない為には、正しいケア内容を選択することが大切です。

【原因3】強打をして骨を押すと痛い
転倒して地面に尻もちを突いたときに尾てい骨を痛めてしまうことがあります。
打撲であれば数週間で治まりますが、骨折してしまうと治るまでには数ヶ月かかり、後遺症が残るケースも少なくありません。
転倒後に激痛で動けなかったり、気分が悪くなった場合には、放置せずに早急に整形外科を受診してください。
又、炎症が残っていることが原因で骨を押すと痛みを感じることがありますが、炎症が治まると共に痛みは軽減します。
尾てい骨付近にしこりが見られる場合には、他の病気が原因になっている可能性がありますので、皮膚科を受診してください。
【原因4】妊娠中でおしりが痛い
妊娠中に骨盤周囲の筋肉や靭帯が緩むことにより、仙骨や尾骨へ負担をかけてしまうケースがあります。
歩くと痛かったり、痛みで起き上がれない、といった症状を感じる方が多いです。
腰部の緊張を緩めたり、お尻の筋肉を鍛えることによって、妊婦の方の痛みは解決しやすくなります。

尾てい骨の痛みにおすすめ!簡単エクササイズ2選
アドバイスさせていただくのは、誰でもできる簡単なエクササイズ内容となります。
このエクササイズを継続することによって、尾てい骨のポジションが安定し、楽に座れるようになります。
歩いてる時や立ち上がる時に尾てい骨が痛いという方や、妊娠の安定期の方にもおすすめです。
休憩中にも簡単にできる内容なので、是非、お試しください。
※出血、排尿障害がある方は先に病院を受診してください。又、打撲や骨折など原因がはっきりとしている場合や、エクササイズの体勢が困難な場合にはお控えください。

スクワットの応用
1.肩幅より少し大きめに足を開きます。
2.お尻を後ろへ大きく下げながら股関節を曲げます。
3.上半身を無理のない範囲で反らせます。
一連の動作をゆっくり5,6回ほど繰り返します。一日2~3セット
※膝の位置がつま先より前に出ないようにご注意ください。
仙骨捻じり
1.肩幅に足を開きます。
2.お尻の穴をぎゅっと閉めます。
(お尻を閉めると骨盤は自然と後傾し、膝は少しだけ曲がります)
3.背筋を伸ばし、顎は軽く引きます。
4.上半身を左右にゆっくりと交互に捻じります。
1分間で40~50回程度を目安にします。一日2セット
※お尻の穴を緩めずに身体をリラックスさせながら行いましょう。
エクササイズのポイント
上記のエクササイズは尾骨をニュートラルな位置に戻すことに役立ちます。
エクササイズは気楽にできる内容になっていますが、気が向かない時には無理をして行う必要はありません。
1日に2~3セットくらい行うのが理想的ですが、難しい場合にはできる範囲で少しずつ始めてみてください。
中学生以下のお子さんがやる場合には親御さんがフォームを確認しながら行うと良いでしょう。

まとめ
座っている時間が長い人は、腰椎(腰の骨)が硬直しやすい傾向にあります。
腰椎が硬直してくると、猫背のような悪い姿勢になりがちです。
身体を支える力が弱くなり、椅子に浅く座ったり、足を組んで座りたくなる、といった悪いクセが見られるようになります。
骨盤が後傾することで、尾てい骨で身体を支えることになり、大きな負担がかかることから、尾てい骨周辺に痛みを感じやすくなります。
立ち上がる時や、しゃがむ時、前屈をした時などに痛みが現れやすいので注意が必要です。
腰椎の柔軟性が低下すると、スポーツをする10代の子供にも痛みは現れます。
尾てい骨の問題には、上記の腰椎の弾力性を取り戻すエクササイズがおすすめです。
尻もちを突いたり、ぶつけたりして痛みがでた時には、打撲や骨折などが考えられます。痛みが長引く場合には、整形外科を受診してください。
以上、「座ると尾てい骨(おしりの骨)が痛い時に有効なエクササイズ」でした。