以下のような症状でお悩みはありませんか？
- 指の付け根の痛みや腫れ
- 指の曲げ伸ばしがスムーズにできない
- 動かすと強い痛みがでる
腱鞘炎は、家事や育児、仕事などで手を酷使する方に多く見られる症状です。
「痛みが強いのに仕事を休めない」「注射をしてもすぐ再発してしまう」そんな方は、ぜひ内容をご参考ください。
腱鞘炎とは
腱鞘炎とは、腱を包み込む「腱鞘」という組織に炎症が起きた状態を指します。腱は筋肉と骨をつなぐロープのような役割を持っており、腱鞘はその動きを滑らかにする鞘（さや）のような存在です。
手首や指を繰り返し使うと、腱と腱鞘の間に摩擦が生じ、炎症・痛み・腫れを引き起こします。特に指や手首を頻繁に使う方、パソコン作業や育児、楽器演奏などをする方に多くみられます。
腱鞘炎の主な症状と種類
腱鞘炎にはいくつかの症状があり、de Quervain（ドゲルバン）病、ばね指、強剛母趾が代表的なものになります。
ドケルバン病（狭窄性腱鞘炎）
「親指側の手首が痛い」「動かすとズキッとする」といった症状が出るタイプです。
ドゲルバン病（短母指伸筋腱と長母指外転筋腱が通過する第1腱区画で生じる腱鞘炎）では、手関節の親指側に動作時の痛み、腫れ、圧痛などの症状が現れます。
原因
- タイピング、マウス操作、ボールを投げるなどの反復動作（腱鞘への過度な負荷）
- 妊娠・出産期、更年期の女性にも発症することがある（ホルモン変化の影響）
治療は保存療法が基本で、安静や湿布・サポーターなどで炎症を抑えます。
痛みが強い場合は局所注射（ステロイド）を行うこともありますが、繰り返しの注射は腱を弱めるリスクがあるため注意が必要です。
症状の改善が見られないケースでは、手術による腱鞘切開が検討されます。手術では腱が通るスペースを確保するための処置が行われます。
※急激な運動の増加や姿勢の悪さも腱鞘炎を引き起こす要因となり、他にも関節リウマチや細菌感染によって腱鞘炎が起こることがあります。
ばね指（弾発指）
「指が引っかかる」「伸ばすとカクッと弾かれる」ような症状が特徴です。
ばね指は、手のひらの付け根（MP関節付近）の屈筋腱に炎症が起こり、腱鞘が肥厚して動きが悪くなります。
炎症が進むと、指が途中で止まり、無理に伸ばそうとすると「パチン」と弾かれるような動きをします。
発症しやすい方
- 更年期の女性
- 手をよく使う仕事や育児中の方
- 糖尿病・関節リウマチ・透析中の方（複数の指に出やすい）
ドケルバン病と同じく保存療法を基本とし、必要に応じて局所注射や手術が行われます。
小指側の痛み
小指側の手首が痛む場合は、「尺側手根伸筋腱」のトラブルが原因のことがあります。
手首を返す、物を持ち上げるなどの動作時に痛みが出るのが特徴です。
腱鞘がストレスにさらされ、下層で炎症を起こすことで痛みが発生します。
腱鞘炎にお悩みの方へ（当院の考え方）
一般的な施術では、痛みのある手首に電気治療やマッサージを行うことが多く、一時的に症状が和らいでも、再発してしまうケースが少なくありません。
当院では、「手首に負担をかけない施術」にこだわり、痛みの原因となる身体全体の歪みやねじれを整えることを重視しています。
そのため、手首を直接強く触れることはなく、肩・背中・骨盤といった神経や筋膜の連動を丁寧に調整します。
また、施術後には再発を防ぐための生活動作のアドバイスをお伝えし、「その場しのぎ」ではない根本的な改善をサポートしています。
施術の考え方
- 手首の炎症を直接刺激せず、関連する肩・背中・骨盤の緊張をやさしく解放
- 神経や筋膜のつながりを考慮し、手首の負担を根本から減らす
- 再発を防ぐための姿勢・動作アドバイスを実施
施術例
半年前に腱鞘炎になり、整形外科で局所注射をすることで一旦は痛みが落ち着いたが、2週間前に再発。
親指を動かすことができず、常に痛い。子供を抱っこすると悪化する状態。
自身でもYouTubeを検索してストレッチやマッサージを続けてみたが、一向によくならなかった。
～産後7か月経過のお客様～
全身のバランスを整え、肩と腕の緊張を緩めることで、手首の動きがスムーズに。
※変化には個人差があります。
腱鞘炎のQ&A
腱鞘炎によくある質問をまとめました。
腱鞘炎を確認する方法は？
腱鞘炎を確認する際には以下のチェック方法が役立ちます。
チェック方法１（セルフチェック）
親指を他の指で包むように軽く握り、親指側を上にした状態から、ゆっくりと手首を下げる。
伸ばされた手首に痛みがあれば、ドケルバン病が疑われる。
チェック方法２
母指を握り、母指と手関節を屈曲内転させるように引っ張ると、手首に痛みが出る。
チェック方法３
手関節を最大に屈曲させ、母指を伸展させると、親指付け根付近に痛みを感じる。
やってはいけないことは？
痛みのある部位を無理にストレッチしたり、強く揉むのは避けてください。炎症が悪化し、回復が遅れることがあります。
