操体法は、身体が本来持っている「気持ちよさ」を手がかりに、無理なくバランスを整えていく施術法です。
当院では、8つの基本動作をもとに、身体が求める方向へ丁寧に導きながら、自然な調整力を引き出していきます。
強い力をかけることはなく、安心して受けられるやさしい施術のため、痛みが強い方や繊細な症状の方にもおすすめです。感覚の回復とともに、身体が軽く、楽に動ける状態へ整えていきます。
操体法とは
操体法とは、身体の「快(気持ちよさ)」に従って動くことで、姿勢や筋肉・関節のバランスを整える整体法です。
人の身体は、不快な動きを無理に行うよりも、気持ちのいい方向へ動くことで自然と歪みが解消される性質があります。
操体法はこの仕組みを利用し、痛みのある部位に直接強い刺激を入れず、身体が望む方向へそっと導きながら整えていく安全な施術です。
特に、姿勢のクセや過去のケガ、ストレスなどで感覚が鈍くなっている方は、「気持ちよさ」が分かりづらいことがあります。
操体法ではその感覚をゆっくりと呼び覚まし、身体本来の調整力が働きやすい状態へ整えていくため、負担が少なく、無理のない改善が期待できます。
ポイント
一般的な整体のように力を加えたり押したりするのではなく、本人の感覚を大切にしながら最小限の刺激で身体を整えるため、痛みが強い時期や、過敏な症状を抱える方にも適応できます。身体の自然治癒力を引き出すことに重点を置き、再発しにくい状態へ導くのが特徴です。
アンバランスを整える操法
操法には基本的に8つの動き(前屈、後屈、左屈、右屈、左回旋、右回旋、牽引、圧迫)があり、これらの動きを用いて身体のバランスを整えます。
気持ちがいいか、悪いかをよく感じ取りながら、ゆっくりと動かして、気持ちのいい動きを見つけ出すのがポイントです。
それを調べる方法には、本人が動かして調べる方法、施術者が動かして調べる方法、本人の動きに施術者が抵抗をかけて調べる方法があります。
| 感覚 | バランス |
| 快 / 気持ちがいい / 心地いい | バランスを回復するときの感覚 |
| ↑ | ↑ |
| なんともない / 楽 / 特に何も感じない | バランスが整っているときの感覚 |
| ↓ | ↓ |
| 不快 / つらい | バランスが崩れるときの感覚 |
原始感覚を呼び覚ます
例えば、背中が痒くなったとします。このとき「掻く行為をしたい」と感じるのは原始感覚であり、気持ちよく掻くことが操法の考え方です。
しかし、心身のバランスが崩れると、その「痒み」を感じられなくなることがあります。
そうなってしまうと、何でもいいのですが感覚を取り戻すための行為(ここではお風呂に入る)が必要です。
お風呂の快感で歪みが調整されると、からだの声がキャッチされ、背中がムズムズと感じるようになり、掻けるようになります。
背中を気持ちよく掻くことで痒みは治まり、背中はなんともなくなります。
快の感覚が戻れば、再び身体の声が聞こえるようになりますが、人は誰でも「快・不快」という感覚が鈍りがちで、自分の状態を正確に把握できなくなることがあります。
操体法は、その感覚を呼び覚まし、身体の自然な調整力を引き出すための最もシンプルで確かな方法です。