こちらの記事では坐骨神経痛を早く治す方法とやってはいけことについて説明していきます。
おしりから足にかけての痛みや痺れが気になる方は内容をご参考ください。
もくじ
坐骨神経痛とは
坐骨神経痛とは、腰から足にかけて伸びている坐骨神経が何らかの原因によって、圧迫・刺激されて起こる痛みや痺れを指します。
脊髄から枝分かれして下肢に伸びる坐骨神経は、お尻から足にかけての感覚や運動をつかさどり、特に脚の後ろ側にしびれや強い痛みが走りやすい特徴があります。
坐骨神経とは?
坐骨神経は末梢神経の中では一番太く、長さは1メートルほどあり、総腓骨神経と脛骨神経に分かれ、腰椎から足の指まで伸びています。
坐骨神経痛の症状
坐骨神経痛の症状は腰から足にかけての痛みや痺れです。
痛む場所は腰やお尻、太もも、すね、足先など、広範囲に広がることがあり、歩いている時や座っている時に痛みが現れるようになります。
また、悪化させた場合には、どんな体勢になっても痛みを感じるようになり、生活に大きな支障がでます。
間違えやすい病気
坐骨神経痛と似た症状が現れる病状には以下のものがあります。
脊椎腫瘍
背骨にできる腫瘍。自覚症状として、腰の重だるさや痛み、しびれ感があり、それが段々激しい痛みになる。
脊髄・馬尾神経腫瘍
脊柱管の中を通る神経にできる腫瘍。腫瘍が大きくなるにつれて、痛みやしびれを感じるようになる。
脊椎カリエス
結核菌が脊椎に感染。自覚症状は、前屈みがとりづらい、歩いたりすると痛みが強くなり、足に麻痺が起こることがある。
セルフチェック
- おしりから下肢にかけてが痛い
- 長時間、立っていると痛くなる
- 座るとお尻が痛い
- 歩くと痛い
- 腰を丸める動作で痛みや痺れがでる
- 腰を反らせる動作で痛みや痺れがでる
このような症状がある場合には坐骨神経痛が疑われます。
いつまで続く?
坐骨神経痛の症状は数日程度で治る人もいれば、数週間~数ヶ月と続いてしまう人もいます。
痛みや痺れを発生させる原因によって個人差があります。
坐骨神経痛の原因
一般的に考えられている坐骨神経痛の原因は以下の通りです。
※坐骨神経痛の原因は、病院(整形外科)で検査をしても正確に特定できないことがあります。
腰椎の疾患
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった病状が原因で、腰部から下肢にかけて痛みや痺れがでることがあります。
※下肢に麻痺がでていて思うように立てない場合には手術が必要です。
梨状筋症候群
梨状筋と呼ばれるお尻の筋肉が坐骨神経の滑走性を阻害させることにより、臀部痛や下肢痛を発生させます。
この場合、梨状筋の緊張が緩むと症状は楽になるのですが、梨状筋以外の筋肉に問題が起きていることが多いため注意が必要です。
※お尻の筋肉を強くマッサージしたり、ストレッチさせたりすると症状を悪化させる恐れがあります。梨状筋を硬くさせる要因を見つけて対処していかなければなりません。
坐骨神経痛を早く治す方法
坐骨神経痛を早く治す方法は、関連する筋肉の緊張を取り除いて、腰椎や臀部にかかる負担を減らすことです。
痛みや痺れに有効なケア方法をいくつか紹介しますのでご参考ください。
※症状を長引かせないようにするためにも放置はせず、適切なケアを行うことが大切です。
患部を温める
坐骨神経痛には、冷やすよりも温めた方が効果があります。
寒い日には湯船に浸かったり、腰やお尻をレンジで温めた小豆袋などを使って温めるようにしましょう。
体操やストレッチをする
体操やストレッチを行う際には、痛い動きをしないようにご注意ください。
痛みを感じながら行ってしまうと、逆に身体を緊張させて症状を悪化させてしまうことがあります。
※痛みが強くなる場合には直ぐに中断してください。
身体がリラックスできるようになると、筋肉や関節、神経の働きが正常化し、坐骨神経痛の症状はとれやすくなります。
ご紹介する体操は自宅で簡単にできる「VIM体操」となります。
安全な内容ではありますが、痛みを感じた場合には直ぐに中断し、負担の少ない体操を選択しましょう。
横座りで上体を曲げる体操
1.横座りになり左右それぞれの痛みや違和感をチェックします。
(わかりづらい場合には上体を倒して確認)
2.楽にできた方を選択します。
3.写真の状態で深くリラックスさせます。
(10秒キープ後、10秒の休憩を挟み、計3回行う)
3回終えたら、やりづらかった側の体勢になり、痛みや違和感を再度確認しましょう。
ポイント
・足の位置は違和感がないように楽なポジションに
・頭は首が最も楽な位置に
・肩、背中、腰、股関節の力を抜いて深くリラックス
・目を閉じて、ゆっくり呼吸を繰り返す(吐く時に合わせて力を抜く)
足をかけて膝を倒す体操
1.仰向けになり足を少し開いた状態で膝を立てます。
2.足を反対側の膝にかけて、両膝を倒れるところまで倒します。
(左右それぞれの痛みや違和感をチェック)
3.楽にできた方を選択します。
4.写真の状態で深くリラックスさせます。
(10秒キープ後、10秒の休憩を挟み、計3回行う)
3回終えたら、やりづらかった側の体勢になり、痛みや違和感を再度確認しましょう。
ポイント
・痛みや違和感がでないように最も楽なポジションに
・膝はゆっくり倒す
・両肩の力を抜いて頭は首が楽にできるポジションに
・目を閉じて、ゆっくり呼吸を繰り返す(吐く時に合わせて力を抜く)
足を組んで捻じる体操
1.イスに座り足を組みます。
2.足の位置は変えずに上半身を捻じり痛みや違和感を確認します。
(左右それぞれの痛みや違和感をチェック)
3.楽にできた方を選択します。
4.写真の状態で深くリラックスさせます。
(10秒キープ後、10秒の休憩を挟み、計3回行う)
3回終えたら、やりづらかった側の体勢になり、痛みや違和感を再度確認しましょう。
ポイント
・足を深く組むと感覚わかりやすい
・首は一緒に捻じる
・捻じっていく際には腰は丸めない
・上半身は力まないようにリラックスする
急に治ったりしますか?
坐骨神経痛の症状が急に治ったという方は、身体の緊張が一時的なものであったことが考えられます。
身体を緊張させてしまうと、再び症状がでてくることがあるので体操を継続することが大切です。
症状の改善までの目安は1~3カ月程度です。
坐骨神経痛でやってはいけないことは?
坐骨神経痛は強い刺激によって悪化するため、痛みや不快感があるケアは続けるべきではありません。
具体的には、筋肉への強いマッサージや筋膜リリース、ストレッチ、深部への鍼治療などが挙げられます。
※身体によいと思ってやってた内容が快復の妨げになることがよくあるのでご注意ください。
また、前屈みになったり、重たい物を運んだりすると、痛みや痺れが強くでてくることがあります。
同じ姿勢を長く続けても坐骨神経痛は感じやすくなるため、注意が必要です。
負担をかけるような仕事内容であれば、痛みが軽くなるまで休むべきです。
まとめ
坐骨神経痛を早く治すには、痛くない範囲で体操やストレッチを継続することが大切です。
身体を緊張させないためにも、筋肉は無理に伸ばしたり、押したりしないように注意しましょう。
身体の力が上手く抜けてきた時には、痛みや痺れに変化を実感できるはずです。
以上、『坐骨神経痛を早く治す方法とやってはいけないこと』でした。