ご家族やご友人などにマッサージをやってあげる際に注意したいことは、力強く揉んだり、押したりしないことです。
特に慢性的な肩こりは肩をマッサージしてもよくなりません。肩を力強く揉んだり、押したりすることによって、症状はかえって悪化します。
肩こりは、肩以外の部分に問題があるケースが殆どです。この記事では、肩こりとマッサージの関係性を説明します。
もくじ
肩こりをマッサージしてもスッキリしない理由
肩こりの主な症状には、
・首から背中にかけてのこり感
・肩から腕にかけての重だるさ
・肩甲骨付近のこわばり
といったものがあり、肩こりといっても症状の感じ方は人それぞれが異なります。
ずっと同じ姿勢を続けていると、筋肉の疲労から血流が悪化し、肩がこりやすい状態を招いてしまいます。
姿勢が悪くなれば身体が歪み、その結果、肩にストレスを与えることになります。
ですから、姿勢の問題による筋肉の緊張と身体の歪みを取り除くことができると、肩こりは自然によくなります。
逆にこれらの問題を解決できなければ、肩の筋肉をマッサージで緩めても、一時的な効果しか感じられないはずです。

凝り固まった筋肉を長く放置すれば、疲労物質を滞らせてしまい悪循環が生じます。
このような状態になってしまうと、肩をマッサージするだけではスッキリすることはできません。
肩こりのメカニズム

デスクワーク、パソコン作業によって腕を前へ出す姿勢が長く続くと、胸の筋肉が収縮されやすくなります。
筋肉は骨に付着していますので、胸の筋肉が収縮すれば、腕の骨を引っ張り、肩を前方に巻き込むようになり、猫背姿勢の原因となってしまいます。
肩が前方へ巻き込まれることにより、首から肩にかけての筋肉は伸ばされ、肩の上部の筋肉が緊張すると、肩こりは現れやすくなります。
他にも、猫背姿勢によって頭部が前方へ出てしまうことにより、背中の筋肉が緊張し、肩こりを招くことがあります。
腰部や大腿部といった筋肉の緊張が、身体のバランスを崩すことによって、肩こりを招くことも少なくありません。
マッサージしても直ぐに元の状態に戻ってしまうのは、このような問題を解決できていないからです。
肩こりの本当の原因
2018年5月「たけしの家庭の医学」というテレビ番組で放送されたのは、肩こりの根本原因は首や肩の筋肉ではなく、全く別の場所にあったという内容でした。
番組の中で医師は、肩こりを感じさせる筋肉である「僧帽筋」を硬くさせる原因が、身体の歪みに関連すると説明しています。
身体の歪みを整える為の簡単な体操を数日間続けると(筋肉の硬さを調べる特殊な機械を使用)体操前後の違いがはっきりと数値に表れる結果となりました。
近年では、慢性的な痛みの原因が痛い場所にはないという考えが広まり、肩は揉めばいい、という常識は消えつつあります。
喜ばれるマッサージの条件
マッサージは気持ちが良いので相手の方にはとても喜ばれるはずです。作業を行った際の一時的な肩の疲れには、肩のマッサージで肩こりが解消されることもあります。
その場合は、相手が気持ちが良いと感じる範囲内の力加減でマッサージを行うと、筋肉を痛めることも少なく、より効果的です。
肩こりを予防するには
環境のすべてを変える必要はありませんが、できることから取り組んでいくことが大切です。
肩こりと上手に付き合う方法
普段から生活習慣に気をつけていなければ、肩こりはなかなかよくなりません。デスクワーク時に気をつけたいことを説明します。
パソコン作業時
マウスの使用は身体の負担が特に大きく、マウスを使用する際には、手首の下にタオルを敷いたり、イスの高さ調整するといった工夫が必要です。
どんな姿勢でも長時間続けば、疲労が溜まってしまうので、できるだけ疲労を取り除けるように自分でもケアを行なっていくことが大切です。
イスに座る時間が長い
正しいと思っている姿勢そのものが、肩こりの原因つくっていることもあります。良い姿勢を意識しすぎるとかえって筋肉は緊張を起こし、硬くなる可能性が高いです。
席を立つことが可能でしたら、時々、身体を動かして筋肉がリラックスできるように心がけましょう。
全身を整える
先程も説明したように、筋肉の疲労は身体を支える力を低下させます。(無意識に肘をついたり、足を組んだりするのは、身体を支える機能が低下していることを示しています)
問題を起こしている筋肉(主に股関節周囲の筋肉)をケアすることによって、身体の軸バランスが安定し、座るときの肩の負担を軽減することができます。
当院ではリラクゼーションとは違い、身体全身を確認して原因を探します。姿勢や歪みの問題を解決し、肩こりの症状を楽にするお手伝いが可能です。
何故、肩の筋肉が凝っているのかを考え、全身のバランス調整を行います。基本的には肩を揉んだりはしませんが、原因にアプローチすることによって効果を実感していただけるはずです。
普段、リラクゼーション店を利用されていて、効果を感じられない人ほど整体の手技内容に驚くはずです。肩に触れなくても肩の緊張を緩めることが可能です。
まとめ
慢性化した肩こりには、マッサージよりも身体全身の調整を行う方が効果的です。
一時的な疲れに対してはマッサージでも対応できることもあるので、気持ちが良い範囲内でやってあげるとよいでしょう。
身体のバランスが悪くなれば、症状は改善しづらくなってしまい、酷くなると吐き気や頭痛を伴うことがあり、仕事に支障がでることもあります。
普段は肩がこらないと言う人でも、自覚症状がないだけで肩の緊張を蓄積させていることは多く、問題を長く放置させないことが肩こりを長引かせないポイントです。
自身の身体を把握し、正しい方法でケアを行なうことで、バランスを整え、血行を改善し、身体本来の機能を取り戻すことができます。
肩こりが慢性化した場合にはプロである整体師にお任せください。