近年、慢性的な痛みやこりの原因として「筋膜の問題」が注目されています。
筋膜は身体全体を包み込み、姿勢や動作を支える重要な組織です。しかし、姿勢の乱れやストレス、同じ動作の繰り返しにより筋膜が硬くなると、痛みや動きの悪さ、しびれなど、さまざまな不調が生まれます。
この記事では、筋膜が硬くなる理由や筋膜リリースの効果、そして当院が行っている安全な筋膜アプローチについて分かりやすく解説していきます。
筋膜とは
筋膜とは、全身の筋肉や骨、内臓、神経、血管などを立体的に包み込み、身体の形や動きを支えている薄い膜の総称です。
全身を覆うボディスーツのように張り巡らされており、全身がひとつのつながった構造になっています。
筋膜には、固有感覚受容器と呼ばれる、身体の位置や動きを脳に伝えるセンサーの役割を持つ神経が豊富に存在しています。
炎症や筋肉の緊張が続くと、それらの受容器が過敏化(感作)し、痛みの信号を強く脳へ送り続けてしまいます。
その結果、実際には大きく傷ついていない場合でも「痛い」と感じやすい状態になることがあります。
筋膜が硬くなる原因
筋肉の使い過ぎや、特定の動作ばかり繰り返す生活習慣が続くと、筋膜がよじれたり、癒着を起こしてしまいます。
さらに、不良姿勢・長時間の同じ姿勢・手術後の傷跡・慢性的なストレスも筋膜を硬くさせる大きな要因です。
ストレスは自律神経の緊張を高め、筋肉や筋膜の柔軟性を奪ってしまうため、心身の状態が痛みに影響を与えることが分かっています。
身体の柔軟性の低下、筋力(筋出力)の低下、関節の動きの悪化、感覚の異常(しびれ・違和感)、軟骨の摩耗を早めるリスク、といった様々な不調につながります。
筋膜リリースは何に効く?
筋膜リリースは、筋膜のよじれや癒着を整えることで、以下のような症状に効果が期待されます。
- 身体が硬い、動きづらい
- 動かすと痛みが出る
- 力が入らない、パフォーマンスが落ちている
- 姿勢が崩れやすい
ただし、痛みがある場所をむやみに強く刺激すればよいわけではありません。誤った場所への過度な圧迫や、強引なストレッチは、筋繊維を傷つけたり、炎症を悪化させてしまう危険があります。
特に神経症状を伴う痛みには、強い刺激は不向きです。痛みを感じる場所に筋膜リリースを行うと、痛みがよくなるどころか、かえって痛みを悪化させてしまいます。
施術者の技術が未熟な場合、痛みを長引かせてしまうケースもあるため、慎重な判断と繊細な技術が求められます。
当院の筋膜アプローチ
当院では、関節をゆっくりと丁寧に動かしながら、通常のマッサージでは届かない深部の筋膜の癒着を安全に剥がしていく独自の施術を行っています。
強い痛みを伴うような刺激は一切使わず、身体が自然とゆるむ方向へ導くため、「気づいたら動きやすくなっていた」と感じる方も多くいらっしゃいます。
刺激をほとんど感じさせない、安心・安全な筋膜調整ですので、痛みが強い方や繊細な症状をお持ちの方でも無理なく受けていただけます。